書き初め
人生もだいたい半分すぎようかという頃合いに、私は大きく躓いてしまった。
独身となり、結婚し、また独身になり、悠々自適な生活を送るのかというとそうではなく、ただただ寂しい日々を送るだけとなった。
寂しい……というのも以前の私であれば考えられなかった感情であり、自分自身でも驚いている。
大学で上京してこの方、一人暮らしで寂しいと思ったことなどなかった。
それが毎日のように寂しさを感じている。
新海誠が「悲しみはそこかしこにふりつもる」とかいったけど、本当にそれはよく的を得た表現だとおもう。
日々の何気ないところに、キッチンや、駅や、スマートフォンの通知や、歩く速度や、思考の頻度やすれ違う人たち、ファミレス、ゴミ捨て場、公園、本当にそういう隅々に悲しみが少しづつ堆積している。
あらゆるところに不在があり、しばらくはこの日常の喪失からは逃れられそうにない。
ずっと先延ばしにしていた書くことをはじめてみようか、と思って始めてみたが、自分のことを書くことは至極にがてなんだなと思った。
とりあえずマイペースでも少しずつあげてみたい。
悲しみは 突然きては 引いていく 海なき浜辺 君なき部屋に